先日テレビ金沢の塚田さんが寺中町を取材で歩かれているのに遭遇しました。
私は少しお話をさせていただいたのですが、私のことを「宮司さん」と呼ばれていました。
また、地鎮祭など出先で祭典を行うときにも、司会者(施工業者の方)から「宮司さんより一言・・・」と進められます。
このブログを書いているのは宮司ではなく、禰宜(ねぎ)という職名の神主です。

皆さん「神社の神主=宮司」という意識が強いようです。
ここでは「宮司」とは一体どんな職名であるのかをご紹介します。

全国にある約80,000万近くの神社は神社本庁と包括関係を結んでいます。
(お寺のような本山末寺の関係とは違いますが、ここでは省略します)
その神社本庁が定めた全国神社の基本的規範を成文化した「神社本庁憲章」では、

  • 宮司は一社の長として、祭祀を管掌し、社務をつかさどり、神社の信仰と伝統の護持に努める。

とあります。
一般的な名称で考えれば、「宮司=社長」であることがわかります。

もちろん神社の規模によっては、宮司が一人で頑張っている神社もあれば、
職員が何人もいる神社もあります。
(神社の職名については機会をみてご紹介します)

おおよそ神職は全国に約20,000人おり、そのうち宮司は約10,000人といわれています。
2人に1人は宮司ですので、「神主=宮司」と思われてもしかたがないことかもしれません。
ですが規模は大小あれども、神社に宮司は1人しかおりません。
会社も社長は1人であるのと同じだと思ってください。
しかしこのことは、神主一人ひとりがもっと皆さんと関わりを深めていけば誤解されないのかなと思うと、
努力不足と反省しております。

ちなみに「神主」と書いていますが、正式には「神職」です。
神社本庁憲章では、

  • 神職は、ひたすら神明に奉仕し、祭祀を厳修し、常に神威の発揚に努め、氏子・崇敬者の教化育成に当たることを使命とする。
  • 神職は、古典を修め、礼式に習熟し、教養を深め、品性を陶冶して、社会の師表たるべきことを心掛けなければならない。
  • 神職は、使命遂行に当って、神典及び伝統的な信仰に則り、いやしくも恣意独断を以てしてはならない。

と定められています。なかなか厳しいことが定められています。
コツコツと努力を重ねていくことが求められています。