連休最後の日となりました。
大安ということもあり、地鎮祭、交通安全祈願、安産祈願、初宮詣とご祈祷が続いております。

さて、神社の気になるシリーズ(そんなものはない)から今回は「神職の職階」について。
以前ブログでご紹介した
ちょっと待って!「神主=宮司」のイメージ
でも少し触れましたが、神職の職階(職名)をお伝えします。

このブログを更新しているのは禰宜です。
禰宜は以前から名刺を渡すたびに、
「この肩書きは何と読むのですか?」「宮司とどう違うのですか?」と聞かれることがありました。

これを機会に覚えていただければ幸いです!

神職の職階

神社の規模にもよりますが、おおよそ以下の職階があります。

職階 読み方 役割
宮 司 ぐうじ 神職・職員をまとめる長。一社一名必ずいる。一般でいう社長。
権宮司 ごんぐうじ 宮司の代理。一部の神社にのみ置かれる。一般でいう副社長。
禰 宜 ねぎ 古来は「祈祷を行う者」という意味。
宮司を補佐し、権禰宜以下をまとめる。一般でいう常務~課長級。
権禰宜 ごんねぎ 宮司以下の指示を受け、社務に従事する。一般でいう主任~社員。

神社には必ず宮司はおりますが、権宮司以下は神社の規模によって置かれたり、置かれなかったりします。
置かれる際も権宮司、禰宜は基本1人のみ、権禰宜は複数名という神社が多いです。
神社によっては権禰宜の下に「出仕」「主典」という職階が置かれることがありますが、
神職を名乗れるのは権禰宜以上となります。

ちなみに大野湊神社には宮司1名、禰宜1名、権禰宜1名(非常勤)がおり、
神職以外に巫女、事務員がおります。

余談ですが、宮司=紫袴 とは限りません。
袴の色と職階はリンクしておりませんので、外見から判断することは出来ません。
袴の色は神職の「身分」と関係しております。

無人の神社?

皆様の周りにある神社には必ず神職が在中していますでしょうか?
現在神社本庁包括下神社は全国に約80,000社ありますが、宮司は全国に約10,000人ほどと云われています。
さらに神職総数も約20,000人ほどですので、神社の数より神職の数のほうが少ないのが現状です。

ですので、いわゆる村の鎮守様と呼ばれるような神社には普段神職が在中しておらず無人である神社が多く見受けられます。
しかしながら無人の神社と思っていても必ず宮司がいます。

実は全国の多くの宮司は一社だけではなく、複数神社の宮司を兼務しております。
宮司が普段ご奉仕している神社を本務神社。
兼務して宮司を務めている神社を兼務神社などと呼びます。

また、本務神社では禰宜、兼務神社では宮司と神社によって職階の違う神職も大勢おります。

大野湊神社の宮司も現在29社(神社本庁包括下以外の神社含む)の宮司を兼務しております。
春秋は祭典の多い季節ですので、1日に何社も移動して祭典を行う必要もあります。
ですので神職総出で祭典に臨んでおります。