大野湊神社では神棚にまつるためのお神札(おふだ)を授与しています。
はじめて神棚にまつる場合にどんなお神札を用意すればいいのか悩む方も多くいらっしゃいます。
ここでは神棚にまつる各お神札の違いをご説明します。
【 目 次 】

神棚にまつるお神札の順番

お神札にはいくつか種類がありますが、神棚によっておまつりする場所、順番が違います。
ここでは代表的な三社造り、一社造りと2つのタイプの神棚で説明します。

三社造り

三社造り三社造りお神札

三社造りの場合は、中央に神宮大麻、向って右側に氏神神社のお神札、向って左側に崇敬神社のお神札を納めます。

 

一社造り一社造り一社造りお神札

 

一社造りの場合は、手前から神宮大麻・氏神神社のお神札・崇敬神社のお神札の順に重ねて納めます。

 

次に神宮大麻・氏神神社のお神札・崇敬神社のお神札の違いについてご説明します。

 

神宮大麻(じんぐうたいま)とは?

神棚の中央、もしくは一番手前におまつりするお神札は「神宮大麻」です。

神宮大麻

神宮大麻とは「神宮のお神札」のことです。
神宮とは明治神宮でも、熱田神宮でも、北海道神宮でもありません。
伊勢神宮のことです。(伊勢神宮とは通称で、正式名称が「神宮」です)

そして「大麻」は薬物の大麻(たいま、マリファナ)ではなく、お祓いの道具やお神札等を表すことばとして使われます。

さて、なぜ神宮大麻が中心にまつられるのか?について説明します。

そもそもお神札とはその神社の神様の力、御分霊が宿るものです。
ですので神宮大麻は伊勢神宮の神様の力が宿っています。

伊勢神宮のご祭神は「天照大御神」であり、この神様は八百万(やおよろず、とても多くという意味)の神々のなかで、最も尊い神様とされ、天皇陛下・皇室の祖先神であります。
氏神様が地域の守り神であるように、伊勢神宮は日本人の総氏神・守り神としての信仰があります。

また、神宮大麻は日本全国ほとんどの神社で受けることができます。
※お神札やお守りは「買う」ではなく「受ける」「授かる」といいます。
それはかつて、御師(おんし)と呼ばれる方々が伊勢から全国へ神宮大麻(当時は「御祓大麻」などと呼ばれた)が配られていたからです。
また明治天皇の「国民が朝夕神宮に敬拝できるように」のと思し召し(おぼしめし)により伊勢神宮より全国へ頒布されて、現在に至っています。

氏神神社と崇敬神社の違いとは?

次に「氏神神社」「崇敬神社」の違いについてお話します。

氏神神社とは?

氏神神社とは、皆さんが住んでいる地域の神様をまつる神社のことです。
その神社周辺に住んでいる方々を「氏子」(うじこ)と呼びます。

もともとは「氏」すなわち血縁的につながりのある一族が自らの祖先神と崇敬したり、縁の深い神様のことを氏神(うじがみ)と呼んでいました。
そしてその血縁的なつながりのある集団を氏子といいます。

一方で地縁的な関係(住んでいる地域が同じ)で結ばれる方々が崇敬する神様を「産土神」(うぶすながみ)と呼び、その集団を「産子」(うぶこ)といいます。

この「氏神」と「産土神」、「氏子」と「産子」は徐々に混同して用いられるようになり、
現在では血縁のつながりがなく地縁的な関係にある方々も「氏子」そして、その神様は「氏神」と呼んでいます。

その氏神をまつる神社を「氏神神社」と呼びます。
氏子が居住する地域の守り神として、春・秋のお祭り、正月などの地域の伝統行事や風習、初宮詣や七五三詣、厄除などの人生儀礼に参拝する神社として地域の中核となっています。

氏子はその氏神、氏神神社を崇敬し支える面を持っており、
神棚には日本国民の総氏神である神宮大麻と、自身の氏神である氏神神社のお神札をまつるのです。

崇敬神社とは?

氏神神社に対して崇敬神社とは、地縁・血縁的な関係以外で個人の特別な信仰等におり崇敬される神社のことです。
そしてそのような神社を信仰する方を崇敬者と呼びます。
石川県の場合、地域の氏神様とは別に、尾山神社(金沢市)、白山比咩神社(白山市)、気多大社(羽咋市)などを崇敬し、人生のさまざまな節目にお参りする方も多くいらっしゃいます。

氏神神社と崇敬神社の違いは上記のようなことであり、もちろん両方の神社を信仰・崇敬してなんら問題はありません。

氏神神社がわからない場合

引越しなどにより自身が住む地域の氏神神社が分からない方も多くいらっしゃると思います。
地域の方や近くの神社にお問合わせいただければわかると思いますが、
石川県の場合、石川県神社庁にて調べることも可能です。

石川県神社庁

石川県神社のWEBサイトで「神社を探す」というものがあり、住所やキーワードで氏神神社を調べることができます。