お神札をまつろうシリーズ 第3回目は「お供えとお参りの作法」
【シリーズ記事】
第1回「神宮大麻・氏神神社・崇敬神社の違いとは?」
第2回「神棚の選び方や向きは?

神棚を用意し、神社から受けた神宮大麻・お神札をおまつりしたら、次は日々のお参りです。
ここでは準備すべきお供え物から、お参りの作法についてご紹介します。

【 目 次 】

お供え物について

お供え物と聞くと何か特別なものを用意しなければならないと思う方もいらっしゃるようです。
お供え物とは、神様へ捧げるお食事 とお考えください。

私たちが毎日食事をするのと同様に神様も毎日お食事を用意します。
神社では「日供」(にっく)とも呼ばれ、毎朝神職が神前にお供え物を用意し、
「日供祭」(にっくさい)という祭典を執り行っています。

家庭や職場の神棚の場合、どんなものを用意すればいいかご説明します。

基本は 米・塩・水

毎日のお供えですので、常に豪華なものを用意しなければいけないとなると大変です。
まずは基本のお供え物を用意しましょう。

神様にお供えするお食事の基本は 米・塩・水 です。

お米は私たち日本人の主食であり、古来より大切にされてきた作物です。
神様にもお供えするものとしてお米は最も重要になります。
塩と水も私たちの食事に欠かせない品です。
神様にお食事いただく品々は私たちの生活と密接に結び付いています。

また、「御神酒上がらぬ神はなし」との言葉もありますように、御神酒つまりお酒も大切なお供えです。

お供えする順番

お供え物も、実はお供えする順番などがあります。
重要なお供え物から中心、神様に近い場所においていきます。
お供え物の重要度は、①米 ②酒 ③塩 ④水 です。

米・塩・水 の場合

お供え物に 米・塩・水 を用意した場合は下のように配置します。

米・塩・水

中央にお米、右手に塩、左手に水です。

米・酒・塩・水 の場合

お供え物に 米・酒・塩・水 を用意した場合は下のように配置します。

米・酒・塩・水

二列で用意する場合は、
神様に近い列の中央にお米、左右に酒。
遠い列の右手に塩、左手に水をお供えします。

米・酒・塩・水

一列で用意する場合は、
中央にお米、お米の左右に酒、一番右手に塩、一番左手に水をお供えします。

なお、ここでは最低三種類の品をお供えする方法をご紹介していますが、
はじめて神棚を設けたとき、いきなりすべてを用意することが大変なときなどは、
まずはお米だけ、お水だけなど1品からはじめてもよろしいかと思います。
それを続けることにより余裕が生じたら品数を増やすというもの方法のひとつです。

お供え物は毎日新しくすべきか

皆さん悩まれることですが、今まで紹介したお供え物は毎日交換、新しくしなければいけないのかということです。
神社では毎日お供え物を新しくしておりますし、お供え物は神様へのお食事であることから、基本的には毎日新しくするべきであろうと思います。
ただ、神棚は高いところに設置されることが多いですし、忙しい日々の中ではなかなか難しいという方もいらっしゃると思います。

そこで次のことを案内しております。

  1. 基本的には毎日お供え物を新しくする。
  2. すべての品を毎日取り替えるのが難しいのであれば、水だけ交換する。
  3. 1日または15日に、毎週月曜日に、10日毎に、など一定日を設けて新しくする。

神棚のおまつりの仕方は各家庭・職場で決めていただければいいのです。
そして決めたルールを守り、毎日お参りすることが何よりも重要です。

なお、お供えして下げた品は皆さんで食べてください。
もちろん無理に水を飲む必要はないですが、お米や塩は料理に使ってください。
これらは「お下がり」と呼ばれ、神様が召し上がった品を私たちもいただき、その力を体内へとどめる大切な作法です。

榊について

榊一対を神棚にお供えする場合には、水の交換と定期的に榊を取り替えてください。
榊によっては水切りも必要になるでしょう。
できるだけ枯らすことがないようにしましょう。

榊の交換時期ですが、これも各ご家庭で決めていただきます。
毎月1日と15日に交換されたり、10日毎に交換されたりと様々です。

参拝作法について

皆様おそろいで神棚にお参りしていただくときの作法について説明します。
神棚の参拝作法は、一般的な神社参拝と同様の作法で行います。

二拝 二拍手 一拝 の作法を用います。

参拝作法

むすひ 平成28年版より

地域によって参拝作法が異なる場合もありますが、上記を基本作法として覚えていただければよろしいでしょう。

お参りの時間帯ですが、とくに決まりはありません。
朝食の前、就寝の前、出社時、帰宅時、作業開始前、作業開始後。
神様にお参りするのに不都合な時間はありません。