秋の大型連休、シルバーウィークも最終日を迎えました。
各地ではUターンラッシュが続いているようです。
神社は365日お休みがありませんので、大型連休も関係ありません。

さて、多くの方が連休前に「どこへ旅行に行こう?」「何をして遊ぼう?」と悩まれたことと思います。

ちょっと待ってください!9月23日が何の日か忘れていませんか?

平成27年9月23日は「秋分の日」です。(※春分・秋分の日は年により日が変わります)
そしてこの秋分の日こそ、秋の「お彼岸の中日」に当ります。
なお、お彼岸の中日の前後3日間をあわせた7日間を「お彼岸」と呼びます。

お彼岸にお墓参りをするのは日本オリジナル?

お彼岸と聞いて意味はよくわからないけど、何となくお墓参りする日と思う人いませんか?
忙しく生活する日々のなかで、お盆やお彼岸ぐらいはお参りしないとなぁと感じます。

皆様はお彼岸が日本オリジナルの行事という話を聞いたことがありますか?
新潮選書「仏教と神道 どう違うか50のQ&A」ひろさちや著を参考にご紹介します。

お彼岸の意味

仏教では比喩的に大きな川をはさんで向こう岸(彼岸)に”ほとけ”の世界があり、
我々はこちら側(此岸)にいると考えられています。
仏教の目的は迷いの世界である此岸から悟りの世界である彼岸に到ること、到彼岸にあるといわれています。
日本仏教では春分・秋分の日を中心とした彼岸会(お彼岸)と呼ばれる法要が行われます。

なぜ春分・秋分の日を中心に彼岸会を行うか?

春分・秋分の日はご存知の通り太陽は真東から昇り、真西に沈みます。
日本人は古くから死者の往く「根の国」は遠く海の彼方(もしくは地底深く)にあると考えていました。

同時に仏教の浄土信仰では我々は死後、阿弥陀仏のおられる極楽浄土に迎えとっていただく考えがあり、
この極楽世界(極楽浄土)は西方十万億土の彼方にあるとされています。
それで日本人の間ではいつの間にか死者の国は西方にあるというのが定説となったようです。

このように日本古来の考え方と仏教の極楽浄土の考え方が結び付き、
死者、ご先祖様を偲ぶ日としてお彼岸の行事が発生してきたようです。

日本人の自然観

一方で、春分・秋分の日は季節を分かつ大切な日として考えられてきました。
特に農耕民族である日本人は自然との結び付きを重要視してきました。
春に種を蒔き、秋に収穫することをサイクルとして、それぞれに五穀豊穣、収穫感謝のお祭りを行います。
神社では春祭り、祈年祭、秋祭り、新嘗祭が行われます。

お彼岸はご先祖様にお参りするだけではなく、
自然に感謝する日としても考えられています。

春分・秋分の日、昔の呼び方は?

戦前では春分・秋分の日をそれぞれ「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」と呼んでいました。
明治11年(1878)に歴代天皇や皇族を春と秋にそれぞれ奉祀した、一般の先祖供養に該当する祭祀を行う日です。

現在でもこの日は宮中三殿(賢所、皇霊殿、神殿)のうち、
歴代天皇・皇族を祀る「皇霊殿」にて皇霊祭、
全国の天神地祇を祀る「神殿」にて神殿祭が斎行されております。

お彼岸とお盆の違い

お彼岸とお盆、どちらもお墓参りをする似た行事です。
一体どんな違いがあるのでしょうか?

なお、お盆に関することは、お盆と神社の関係 をご覧ください。

私のほうで違いをまとめてみました。

お彼岸 お盆
時期 春:春分の日を中心に前後3日間
秋:秋分の日を中心に前後3日間
新盆:7月15日
旧盆:8月15日
由来 彼岸会を中心に、ご先祖が無事極楽浄土へ行けるよう願い、
自身も行けるように実践に努める仏教行事と、日本人の自然観が融合した行事。
日本人の祖先崇拝と仏教の盂蘭盆会が江戸時代の檀家制度により結び付き、
祖先崇拝・先祖供養の行事。
共通 お墓参り お墓参り
接し方 ご先祖様へこちらから歩み寄る ご先祖様を家へお招きする

まとめ

先祖供養、祖先崇拝、言葉としては色々な表現の仕方がありますが、
私たち日本人は死者・先祖とのつながりを常日頃感じながら生きています。

この世界観・考え方は日本を日本らしく、日本人を日本人らしく生かしているのではないかと思います。

改めて祖先の恩に感謝し、偲ぶ日としたいものです。