神社でお参りを検討していると、「数え年○○歳」「満年齢でも・・・」などの表示を見ることはありませんか?
普段私たちが生活するうえで、様々な場面で年齢を記入することがあります。
そのほとんど(いや、すべてと言ってもいいです)が「満年齢」を記入します。
ですので「数え年」って聞いたことはあるけれども、どんな風に計算していいかわからない方が大勢います。
ここでは「数え年」と「満年齢」の違いを説明し、「数え年」の数え方を説明します。

▼目次

そもそも「満年齢」とは

現在日本で一般的に使われる年齢の数え方が「満年齢」です。
生まれた日を「0歳」と数え、次の生まれた日(誕生日)が来ると「1歳」年を取るという数え方です。
(正確には誕生日前日の午後12時とのことです)

様々な書類に満年齢を記入するときに、「誕生日前だから○○歳」「誕生日を過ぎているから△△歳」と考えます。

「数え年」とは

では、「数え年」とはどのような年齢の数え方なのでしょうか。

満年齢との大きな違いは、

  1. 生まれた日を「1歳」と数える
  2. 正月(1月1日)が来ると年を取る

上記2点が大きな違い、そして「数え年」の特徴と言えます。

生まれた最初の年齢を「1歳」とする理由

様々な理由があるようですが、代表的なもので考えれば、胎内(お母さんのお腹のなか)で赤ちゃんは妊娠期間(十月十日といわれます)から命を宿しており、その期間も年齢として考え、生まれた時点で「1歳」とするようです。
命のはじまり、それを出産前(数え年)とするか出産後(満年齢)とするかの違いでしょうか。

また面白い説としては、はじまりの示す数字に「0」を使わないという理由もあります。
例えば、

  • 小学校に入学した最初の学年は、「0年生」ではなく「1年生」
  • ピッチャーが最初に投げるボールは、「0球目」ではなく「1球目」

これに従えば、子どもが最初に生まれた年は、「0歳」ではなく「1歳」というように考えたのでしょう。

お正月に年を取るという考え方

「数え年」の特徴の一つが「正月(1月1日)が来ると年を取る」というものです。なぜ誕生日ではなくお正月なのでしょうか。

お正月とは?

皆様にとってお正月とはどんな日ですか?
家族で初詣に行って、お節料理を食べて、お年玉をもらって(あげて)・・・様々なお正月行事があると思います。
昔から日本人はお正月は「歳神様」(としがみさま)をお迎えする大切な日と考えてきました。
※「歳神様」「年神様」「年徳神」など表記は色々あります

お正月を迎える年末に大掃除を行い、門松・しめ縄を飾り、鏡餅を用意するのは、この「歳神様」を自宅に迎え入れるための準備と考えられます。
そしてこの「歳神様」からいただけるものが「お年玉」です。
「年」は「年神様」、「玉」は「たましい、霊力」のことを示すといわれ、これをいただくことにより更に一年生きる力をいただけると考えます。
ですので、

お正月が来る = 歳神様が来る = お年玉をもらう = 一年分の力を得る = 1歳年を取る

この考え方から「正月が来ると年を取る」と日本人は考えるようになりました。

「数え年」と「満年齢」の違い

これまでのことを踏まえ、「数え年」と「満年齢」の違いを表にしてみます。

項 目 数え年 満年齢
生まれた最初の年齢 1歳 0歳
加齢(歳をとる)する基点 正月(1月1日) 誕生日

もう少し深堀すると、
「数え年」は「暦」、つまり何年生まれかを重視し、
「満年齢」は「誕生日」、つまり今が誕生日前か後かを重視しているといえます。

「数え年」の計算方法

最後に「数え年」の計算方法です。
あまり使用する機会のない「数え年」ですが、神社での「厄払祈願」「厄除祈願」、「七五三詣」などで使用されます。
あれ?数え年で何歳だっけ?と迷う方も多いので簡単な計算方法を教えます。

誕生日前 → 満年齢+2歳
誕生日後 → 満年齢+1歳

単純ですが、これが一番わかりやすい数え方だと思います。
あれ?七五三のお参りは今年?来年?と迷われた場合、上記計算方法で「3歳」「5歳」「7歳」のいずれかに該当する年にお参りください。
もちろん神社にお問合せいただければ一番早いかもしれません。