9月も中旬を迎え、いよいよ秋めいてきました・・・と言いたいところですが、まだまだ暑さ厳しい日が続いております。
大野湊神社の鎮座する金沢市寺中町も9月15日、16日が秋祭りです。
金沢の各町でも秋祭りを迎え、加賀獅子や子ども神輿が出るお祭りが多く見られるようになりました。
金沢市民ならみんな大好き加賀獅子を少し紹介します。

金沢の伝統芸能 加賀獅子

加賀獅子は石川県加賀地方に伝わる伝統芸能で、昭和40年に金沢市無形民俗文化財に指定されました。
現在は加賀獅子保存協会が中心となって伝統芸能の保持に努めていますが、各町会で獅子頭や蚊帳を保存管理しています。

加賀獅子の歴史

加賀獅子がいつから始まったかは定かではありませんが、加賀一向一揆のころ(1500年代)には存在していたとされ、
初代加賀藩主・前田利家公が金沢城に入城する際に民衆がお祝いの獅子舞を献上したと伝えられています。

それ以来、獅子頭が守り神として各町におかれ、祭りやお祝い行事があるたびに獅子舞が披露されるようになりました。

また各町が所有するようになるとその豪華さや大きさが競われることになり、工芸品として成熟していきました。

加賀獅子の特徴

加賀獅子の特徴は大きく分けると以下の3点です。

  • 大きな獅子頭
  • 巨大な蚊帳
  • 棒振り

また加賀獅子には演技の始まりに目録の読み上げがあり、演技中は三味線や笛などの音色が鳴り響きます。
目録を読み上げる
三味線、笛、太鼓

 

獅子頭

加賀獅子の獅子頭は主に桐材を使用し、金箔や漆を施しています。
頭部には角、耳、大きな眉、鋭い眼光が特徴です。

獅子頭

角によって雌雄を見分けることができ、雌は真っ直ぐ、雄は捻ったものになります。
この大きな獅子頭を操る方を「頭持ち」(かしらもち)と呼びます。

頭持ち

蚊帳

獅子の胴体部分を蚊帳(かや)と呼びます。
蚊帳には牡丹や獣毛などの模様が染められた麻布が使われています。
内部は胴竹と呼ばれる半円状の骨組みになっており、中に人が入り移動させます。
加賀獅子のなかには約10メートルの蚊帳をもつ獅子もいます。

棒振り

棒振りは演者または演技そのものを指す言葉です。
赤熊冠(しゃんがん)という馬の尻毛で作られたかぶりものを被り、素手または棒・太刀・小太刀・薙刀・鎖鎌などの武器を手に巨大な獅子に立ち向かいます。
この棒振りが獅子を仕留めて演技を終える、「加賀の殺し獅子」と呼ばれる演技です。
霊獣である獅子を殺す様子を悪霊にみせ退散させるとともに、獅子舞演者が地面を踏み込むことにより、地面を清め豊作を願うなどの意味があるそうです。

棒振り1
棒振り2
棒振り3

加賀獅子を楽しむ

加賀獅子は各町の秋祭りで多く見かけることができますが、何と言っても「金沢百万石まつり」でしょう。

金沢百万石まつりは、加賀藩祖・前田利家公が天正11(1583)年6月14日、金沢城に入城し、金沢の礎を築いた偉業をしのんで開催されています。
現在の金沢百万石まつりは、昭和27年に金沢市と金沢商工会議所が中心となって開催した商工まつりが第1回目となります。その後、豪華絢爛な百万石行列をはじめ、400年にわたり受け継がれてきた金沢ならではの伝統ある行事が賑やかに繰り広げられる現在の姿に発展しました。

この金沢百万石まつりには市内の加賀獅子が参加します。
町会によって様々な獅子舞を見学できますのでどうぞお楽しみください。

そして町に伝わる獅子舞も楽しくご覧戴き、参加していただければ幸いです。

参考サイト